[初心者向け]Digital Photo Professional 4 ガンマ調整の使い方について

 前回記事までで、DPPのツールパレットのうち、基本調整タブについて各項目を説明させていただきました。今回は、基本調整タブで説明していない、ガンマ調整について説明しようと思います。

 ガンマ調整

 ガンマ調整と聞くと、難しいような気がしますが、ここではガンマ調整することで何ができるのかを、簡単に説明しようと思います。ガンマ調整とは、下記のようにブラックポイント・ホワイトポイントと呼ばれる上線、下線、左線、右線を動かすことで、画像の階調を変化(暗部から明部にかけてのダイナミックレンジ、階調表現幅を変化)させることを言います。
 また、真ん中にはその画像のヒストグラムとトーンカーブが表示されており、これを見ながらガンマ調整を行っていきます。

ガンマ調整

 具体的な画像を用いて、上の図の①~⑤についてそれぞれ説明します。

ガンマ調整_未調整

①入力側ブラックポイント

 これを右に動かすと、暗部がより暗くなります。下の図は、入力側ブラックポイントを5.99まで調整した場合の画になります。未調整の画と比較して、暗部がより暗くなり、やや引き締まった画になっていることがわかると思います。トーンカーブの傾きが調整前と比較して、やや急峻になっています。
 上記をやや難しく言いますと、5.99より左側にあるヒストグラムの輝度成分を0(真っ黒)とみなす(該当する画素の輝度を0とみなす)、という調整を行っています。

ガンマ調整_入力側ブラックポイント

②入力側ホワイトポイント

 これを右に動かすと、暗部から明部にかけて、画像全体的に暗くなります。逆に、これを左に動かすと、暗部から明部にかけて、画像全体的に明るくなります。下の図は、入力側ホワイトポイントを‐1.00まで調整した場合の画になります。未調整の画と比較して、画像全体的にやや明るくなっていることがわかると思います。トーンカーブの傾きが調整前と比較して、やや急峻になっています。
 上記をやや難しく言いますと、‐1.00より右側にあるヒストグラムの輝度成分を255(真っ白)とみなす(該当する画素の輝度を255とみなす)、という調整を行っています。
※今回の画像では入力側ホワイトポイントを‐1.00にしても、ヒストグラム的に‐1.00より右側にある画素がないため、強制的に255とみなす画素はありません。

ガンマ調整_入力側ホワイトポイント

③出力側ホワイトポイント

 これを下に動かすと、暗部から明部にかけて、画像全体的に暗くなります。下の図は、出力側ホワイトポイントを下に動かした場合の画になります。未調整の画と比較して、画像全体的に暗くなっていることがわかると思います。トーンカーブの傾きが調整前と比較して、やや緩やかになっています。
 上記をやや難しく言いますと、任意に調整した出力側ホワイトポイントの位置を最大輝度(一番明るい部分)として画を表示する、という調整を行っています。例えば、輝度125に出力側ホワイトポイントを設定したとすると、それ以上の輝度(200とか)の画素でも輝度125として表示されます。

ガンマ調整_出力側ホワイトポイント

④出力側ブラックポイント

 これを上に動かすと、暗部から明部にかけて、画像全体的に明るくなります。下の図は、出力側ブラックポイントを上に動かした場合の画になります、未調整の画と比較して、画像全体的に明るく(白っぽく)なっていることがわかると思います。トーンカーブの傾きが調整前と比較して、やや緩やかになっています。
 上記をやや難しく言いますと、任意に調整した出力側ブラックポイントの位置を最低輝度(一番暗い部分)として画を表示する、という調整を行っています。例えば、輝度100に出力側ブラックポイントを設定したとすると、それ以下の輝度(10)とかの画素でも輝度100として表示されます。

ガンマ調整_出力側ブラックポイント

 以上の①~④をまとめると、下記のようにして画像の階調表現幅(ダイナミックレンジ)を変化させることができます。

①で真っ黒とみなすポイントを決める
②で真っ白とみなすポイントを決める
③で一番明るい輝度を決める
④で一番暗い輝度を決める

⑤ミッドポイント

 ミッドポイントに関しては、「ミッドポイントを連動して移動する」のチェックボックスにチェックを入れていると、ブラックポイント、ホワイトポイントの動きに連動してくれるため、基本的には調整しなくても問題ありません。
 では、ミッドポイントを任意に調整したい場合はどういうときか?を説明したいと思います。実際にミッドポイントを動かしていただくとわかると思いますが、トーンカーブの傾きがミッドポイントを動かすことで変化していると思います。その傾きが、急峻になっているところは階調が急峻に変化し、緩やかになっているところは階調が緩やかに変化します。つまり、暗部にトーンカーブの傾きの緩やかな部分を持ってくると、暗部階調優先になり、明部にトーンカーブの傾きの緩やかな部分を持ってくると、明部階調優先になります。
 しかし、ミッドポイントを任意に調整してしまうと、画像全体の階調がくずれてしまう可能性が高いため、基本的には調整しないことをお勧めします。

 如何でしたでしょうか?ガンマ調整について、「何ができるか」を中心に説明させていただきました。是非、お持ちの写真でガンマ調整を試してみてください。

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