前回記事では、オートライティングオプティマイザ(ALO)とピクチャースタイルについて説明しました。今回は、コントラスト、シャドウ、ハイライト、色合い、色の濃さについて説明します。
コントラスト
まず、コントラストについて説明します。コントラストの定義としては、「対比」を意味しており「明暗差」や「色彩の対比」のことを指します。DPPでは、コントラスト部のスライダ位置を調整することで、色のメリハリや明暗差の強弱を調整することができます。
このように、コントラストを調整することで、作品の表現の強弱を調整することができます。コントラスト+側に調整することで、くっきりとした印象の作品にすることができ、逆にコントラストを―側に調整することで、柔らかい印象の作品にすることができます。人がメインの写真の場合に、コントラストを-側に調整することで、柔らかい印象を持たせることができるため、人物写真等でコントラストを-側に調整されるといいと思います。
シャドウ・ハイライト
次に、シャドウ・ハイライトについて説明します。その名の通り、シャドウとは、画像の中の暗い部分を指しており、ハイライトとは、画像の中の明るい部分を指しています。すなわち、DPP上シャドウ部のスライダ位置を調整することで、画像の中の黒つぶれを緩和できたり、逆に暗い部分をより暗くして強調させることができます。
シャドウ-5 シャドウ±0 シャドウ+5
注意点として、シャドウを+側に調整すると、元々黒つぶれしていた部分が明るく補正されるため、ノイズ成分も目立ってしまう場合があります。画像を見ながらスライダを調整して、ノイズが目立つようであれば、シャドウの調整を抑えめにすることをお勧めします。
また、ハイライト部のスライダ位置を調整することで、画像の中の白飛びを緩和できたり、逆に明るい部分をより明るくして強調させることができます。
ハイライト-5 ハイライト±0 ハイライト+5
注意点として、ハイライトを-側に調整すると、元々白飛びしていた部分が補正されるため、白飛び部の階調情報がRAWデータに書き込まれておらず、グレーになってしまう場合があります。画像を見ながらスライダを調整して、不自然な色にならないよう、ハイライトの調整を抑えめにすることをお勧めします。
色合い
次に、色合いについて説明します。色合いは色相とも呼び、赤、オレンジ、黄、緑、青、紫といった色の様相の違いのことを指します。例えば、信号の赤、黄、青は誰でも区別することができると思います。この区別される色合いを色相といいます。
何だか難しいような気がしますが、DPP上で色合い部のスライダを+側に調整すると、黄色めになり、-側に調整すると、赤色めになります。
色合い-4 色合い±0 色合い+4
色合いについては、画を見ながら実際に調整した方がわかりやすいと思います。是非、お持ちの色々なシーンの画像でスライダ位置を調整して試してみてください。
色の濃さ
次に、色の濃さについて説明します。色の濃さでは、彩度を調整することができます。色の濃さ部のスライダを+側に調整すると、色が濃くなり、全体的に鮮やかな色になります。逆に、-側に調整すると、色が薄くなり、全体的に色が抜けたような印象の画になります。
色の濃さ-4 色の濃さ±0 色の濃さ+4
注意点として、彩度を+側に調整しすぎると、絵の具で塗りつぶしたような画になってしまうため、画を見ながら適度に彩度補正をすることをお勧めします。風景写真では彩度を+側に調整することで、鮮やかな印象の画にすることができます。ただ、好みが分かれますが、最高でも+2位に留めておいたほうがいいと思います(いかにも加工しました、というような画になってしまうため…)。
如何でしたでしょうか?今回ご紹介させていただいた、コントラスト、シャドウ、ハイライト、色合い、色の濃さを調整することで、より写真の表現の幅を広げることができます。是非、お持ちの写真で色々試してみてください。
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